「未分類」カテゴリーのアーカイブ

みなさん、こんにちは。あれよあれよという間に師走となり既に5日となりました。いかがお過ごしでしょうか。クリスマスの飾り付けを済まされた方も多いかもしれませんね。

関西でも冷たい強風が吹く日があって、冬だなぁと実感する所以です。それだけではありません。うちにいる保護猫たち、ローテーブルに天板を足し炬燵仕様にしたのですが、中に敷いたホットクッションに集まるようになりました。

こちらのブログ、月一回は投稿しようと思いながら結局目標は達成できませんでした。来年は何とかクリアしたいものです。

新型コロナウイルスだけが要因ではありませんでしょうけれど、教室に通ってくださる生徒さんの数がどんと落ち込みました。落ち込んだままです。

感染予防、蔓延防止のため不要不急の外出を避ける。このことは、書道に限らず習い事全般に大きく影響したと思います。人々の心は疲弊して習い事どころではなくなった時期も長く続いているようにも感じます。

なくても困らないですが、あれば心のゆとり、潤いとなる得る習い事を始めとしましたあれこれを再開できたらと願います。

教室に関してですが、利用している公民館に近い性質の学習室は、蔓延防止措置のため夜間に利用制限がかかるのはもちろん、定員数も半減される活動内容もあります。部屋の作りに寄っては活動内容を問わず半減の所もあります。

予約は抽選順番制のため必ずしも早く会場に着いたからといって希望通りに予約が出来るわけではありません。レストランの混雑時に受付で名前を記入しますが、同じように到着しましたらまず受付表に記入します。

記入した順番でくじ引きとなりますが、例えば6番でくじを引いても予約順15番という結果もしばしばです。到着順と同じかそれより繰り上がった順番はなかなか引けません。(´・ω・`;)

そんな事情のため、秋頃からは4人以下のみ利用可という狭い学習室を借り、クラス分けをしっかりするように変更致しました。

①クラス 14:00~15:30

②クラス 15:30~17:00

③クラス 18:00~19:30

④クラス 19:30~21:00

12月は日の入りが早いため暫定ですが15分繰り上げております。クラス入れ替えの時間を設けておりませんので、片付けにかかる時間を見越して練習していただく必要がございます。

そもそも、限られた時間の中で何かを行うとき、時間の割り振りを考慮して実施するというのは日常でも大切なことと存じます。

変更点としてもう一つ実施したいことがございます。テキスト(競書雑誌)購入のお願いです。現状はテキストを購入せず、当方の準備したお手本を利用している方がほとんどです。本来でしたら、きちんと編集整備された「書の教室」を学習して頂きたいのです。(二玄社、天来書院等の古典シリーズ持ち込みでも構いません)

著作権保護ということもありまして、テキストを気軽にコピーし配布することはいたしかねます。そのため、私が拙いお手本を揮毫しそのコピーを簡単な解説のみでお渡しする状況が続いております。

学習すべき古典や古筆の写真と参考手本、その解説記事が掲載されております、「書の教室」はいろいろ調べた中で最良と判断しております。受験料は必要ですが、段位認定制度も整備されております。新級から1級までは認定に費用は発生しません。

15~16種の豊富な参考手本と購読者の優秀作品、日展を始め大きな展覧会で入賞された青潮書道会の先生方の作品もその時節には掲載されます。

豊富な参考手本のなかで、実際のお稽古で使うものは数が限定されるため、「もったいない、購読価格が高すぎる」というご意見が多く、未購読となっており、たいへん遺憾に存じます。

ご自宅で各書体を基本練習とした上で、お好きな課題をしっかりと練習していただくのが最善なのです。回りくどいようですが、書きたいように書くためにはしっかりした下地、土台が必要となります。それを作るには古典古筆の学習は欠かすことのできないものなのです。普段ポールペンで書くちょっとした文言も、古典学習という下地や土台があってこそ美しく書けるようになるものなのです。

限られたお稽古時間の中、このような説明をすることもなかなかむずかしく、今に至っております。

来年2022年1月からは、新たに入会される方にはテキスト購入をして頂くことを大前提にしたく存じます。法的な強制力はございませんが、、、 もちろん、既存の生徒さんにも購入して頂きたくこの場を借りてお願い申し上げます。

テキスト代金をどうしても払いたくない、テキストは不要だとご納得頂けない方には、たいへん残念ではございますが他の教室をお探し頂かなくてはなりません。ご紹介できる教室としましては尼崎市(谷中雪桑先生)、伊丹市(幸地正竹先生)となります。

年末に向けて何方様もいよいよお忙しくなられることと思いますので、呉々ご自愛くださいませ。

篠村鳳春


■書の教室(毛筆・一般硬筆の競書雑誌約70ページ) 日本教育書道研究会 (青潮書道会) 以下にリンクを張っております。

こちら 書の教室 日本教育書道研究会

年間12冊前納、割引価格 8,800円

半年6冊購入、前納、割引なし、4,800円

■「ペンの教室」(ペン字のみ)は、書の教室の半額ですが、筆の会では、ペンの教室用選定用紙はご用意しておらず、個人さまでご購入頂くこととなります。「書の教室」の一般硬筆課題向け選定用紙は支給品としてお渡ししております。

I went with a friend to see the autumn leaves.

Zuishin-in,World Heritage Site, Tenryuji Temple, Nin-naji Temple.

みなさん、こんにちは。

機会がありまして京都嵯峨野嵐山方面へ出かけました。

小野小町ゆかりの随心院。

「はなのいろはうつりにけりなわがみよにふるながめせしまに」

と、小町の歌が仮名散らし書き風に石碑に刻まれていました。石碑を撮影したもののハレーションが酷く見れたものではありませんでした。

随心院 本堂内

梅匂小町絵図 現代の作品です。
随心院 雑誌モデルの新郎新婦さんが右端柱の隣りでポージングされてました。
陽光に照らされた紅葉は本当に綺麗です。

下鴨神社、糺の森。

樹齢100年を越す大木が立ち並ぶ糺の森。風に吹いて枝が揺れ、擦れる音が立ちとても印象的でした。また、緑、黄色、朱色、赤色のグラデーションが綺麗です。

世界遺産、天龍寺。

池泉回遊式。丘も作られており、高低差のある庭園。錦鯉も泳いでます。手前には箒で整えられた白い玉砂利がありましたが、観光客が多く画角に入れられず残念。

背の高い木々とは趣の異なる低木の紅葉、
参詣道を彩ります。

世界遺産、仁和寺はこの日、ツアー会社貸切。

仁和寺は皇子皇孫の寺院、関連の建物を含めると24万坪の敷地だそうです。鎮護、護国が目的であり、江戸時代になってから時期限定で庶民に解放されたそうです。僧侶の方から10分ほどの説明があり勉強になりました。

山門から二王門をくぐり、遠くに見える本殿に向かい撮影したもの。二王は持国天「北」と多聞天「東」で、それぞれ二人の眷属を連れ邪鬼を踏んでした。
仁和寺 経蔵 撮影用ライトアップ完備
鏡を張ったテーブルがおいてあり、池に映りこんだかのように撮影できるしかけ。
仁和寺五重塔。天辺の法輪にもライトアップが。応仁の乱で仁和寺が焼け落ち江戸時代に再建後、およそ380年を経た現在。
五重塔の地盤沈下はわずか9cm、芯柱による階層構造建築物で硬い地盤の上にあるからだとか。

嵐山、渡月橋から。

桂川の水の冷たさに負けず、鴨や鷺が。風に水面がさわさわと揺れ輝いて綺麗でした。
山並みの遠景の紅葉は実際はもっと鮮やかです。

随心院、天龍寺、仁和寺など寺院には達筆の石碑がいくつか見られました。書道をしているのであるていど読めますが、五言絶句はさっと読み下し文にはできませんでした( ˙꒳˙; )

お天気にめぐまれ、自宅を出てから帰宅まで、15時間のリフレッシュ休暇旅行となりました。

夕方16時頃からは嵯峨野トロッコ列車に乗車。車窓からの紅葉狩りを楽しみました。ライトアップされている場所、保津川下りの名所では運転手さんが停車してくれるサービスもありました。

しかし、この時間帯には、残念ながらiPhone7のバッテリーは1%となり、トロッコの動画も静止画も諦め、最後の仁和寺(19PM〜)に取っておきました。

随心院、下鴨神社は比較的空いてましたが、嵐山、天龍寺は修学旅行生も観光客もたくさん。嵐山のおみやげ物店が並ぶ通りでは、レンタル着物姿のカップルや友達同士もたくさん歩いてました。

コロナ禍を忘れる各観光地でした。

写真でお楽しみいただけたなら、幸いです。

朝晩はほんとうに寒くなりました、呉々ご自愛くださいませm(*_ _)m

篠村

右から ①A課題75点 ②B課題74点 ③創作75点
条幅漢字部門
①A課題(岡田契雪師) ②B課題(王鐸・糸見溪南師) ③創作(活字出題)
18名ほど合格、最下位での通過。
同点の方がいるようす。

みなさん、こんにちは。秋めいてきましたね。

やっと、昇段試験の成績が届きました。見返してもやはり、創作や王鐸の臨書は特に下手です。ですので、これらのダメなところを直せばこれ以上の点数が取れると考えて、来年受験される方はご参考にされてください。

岡田先生のA課題はそっくりに書いたようでも、実際は書けてないですし、高得点を狙うならば、お手本以上のものを要求されるている気が致しました。

臨書に関しましては、課題としてテキスト掲載されているお手本ではなく、原帖から集字して書いております。創作は王鐸からの集字です。文字群と、文字群の接続が悪く、そこでいちいち途切れ縦の流れが止まっているのがよくみてとれます。書いてる最中はなかなか気づかないものです。^^;

右端の課題、僅かに変えたものを前回の青潮書道会全国展に出品しまして、結果、特選でした。点数にするとこのレベルであったかと、入賞できなかったことは仕方ないと頷きました。

今年は秋の間に仕上げてしまいたい、と、半切作品を書いておりましたが、9月10日以降はある事情ができて筆がまったく止まっています。

実は一緒に暮らしているネコ達のうち男の子一匹がうちを抜け出し行方不明になってしまいました。たいへん心配な日々が続きます。同居の先輩ネコに敗北してそのままベランダから下りてしまったようなのです。

タイミングが悪く、ワクチンによる高熱で寝込んでいる間の出来事でした。自力で帰って来ると信じ、毎日名前を呼び掛けながら3ブロック先まで徒歩でゆっくり歩いて回っています。

この件で全国展のみならず、月例の課題も全く手につかなくなっておりましたが、熱が下がった9月24日には、高野切三種の臨書を少しできる程度に落ち着きました。

文字を書くという行為には、心情が真に大きな影響を与えるものと改めて思い知ることになりました。

熱のためおやすみしていた書道教室も明日は開講です。生徒さん達に10月課題をお渡し、9月課題の仕上げにとりかかって頂きたいと思います。

この時期、案外と風邪を引きやすい気が致します。みなさん、ご自愛くださいませ。

篠村鳳春

I’m going to add a few English sentences for the overseas readers who always send me ✩Good without understanding the contents.

InJapanese calligraphy, there is always a Dan promotion test. The highest rank in any calligraphy organization is 8-Dan.
The Dan promotion test is like a test to see how good you are. It’s a way to maintain motivation, and it’s also a way to train myself to write more works. It is quite difficult to keep practicing a little bit every day. That’s why we use the dan promotion exam as an opportunity to polish our skills.

縦の流れ、行の呼応の見直し

みなさん、こんにちは。暑さもまだまだ続きますし、コロナの影響で対面のお稽古もやりづらい状況が続きます。体調は大丈夫でしょうか。

恒例の特別昇段試験の7月となりました。手紙文か条幅漢、どちらを受験しようと悩んだすえ、試験成績(師範推挙試験)の悪かった条幅にしました。

王鐸 擬山園帖 臨書課題 練習中のもの。
拓本から作りなおしました。
もちろん糸見先生の臨書作品の
お手本を参考にしながら。
創作のための集字 【王鐸】
ibisPaint X使用
集字とは違い上手く書けません。。。。

本日2021/08/03 やっとなんとか合格できるかな? と疑問符は取り払えませんが、3課題揃えました。

写真はまだ投稿できませんので、後日アップしたいと思います。

みなさん、くれぐれご自愛ください。

篠村鳳春

みなさん、こんにちは。

昼の配達便でテキストがとどきました。やはり、合格者名に自分のなまえはありませんでした。全国で35名(漢字部門)の合格された皆様、ご立派です。おめでとうございます。

成績表は遅れて郵送されます。追って、成績表と作品と双方を投稿したいと思います。

毎回、他の受験される方の参考になればと投稿しております。が、自分への戒めでもあります。

再びどっと疲れました。不合格だったみなさん、また頑張りましょう。

篠村鳳春

みなさん、こんにちは。

春に受けた師範推挙試験、誤字が多かった上に出来栄えそのものもよろしくなかったので不合格を確信し一度心が折れました。何とか立ち直ったのですが、合格者の名前欄に自分の名前がないテキスト7月号が届くのを2ヶ月の間待つというのは、かなり疲れました。

今日2021/06/21か、明日には心が再びポキッと折れているかもしれません……

そんな訳で、絵に逃げました。大人の塗り絵、アプリになっているものです。色彩はデジタル設計されており、各エリアに数字が振ってあります。数字は色を指定するものです。エリアを指定された数字のカラーでひたすら埋めていくものです。

極めて狭い面積のエリアもあり、塗り忘れたり、見落としたりで、「塗ってないところはどこどこ?」となります。塗り終えた色はパレット上でチェック印に変わります。全ての色をチェック印にするまで以外と時間がかかります。

複雑な絵ではどうしても1~2色が残ってしまい、小さな小さな、まだ色の入ってないエリアを見つけるためピンチアウトして探してまわります。目が乾いていくのが分かります。

驚いたのは、ぬりつぶした工程がアニメになって、保存出来ることでした。それを知ってからはアニメにした時、美しく見えるように順番を考えながら塗るように変更しました。

塗り絵の工程がわかる! ただ、メモリをたくさん消費するアプリで非力なiPhoneでは度々クラッシュしました。

不合格から逃げるため、この数日はかなり描きました。

小さいエリアの中に別の色をブレンドするタイプの下絵は完成すると綺麗な色に見えます。
これも色のブレンドのあるもの。アニメにする時を考えて塗り方の順序を考得られないくらい複雑だったものです。

描いたものをiPhone7でムービーにしてみました。23~24秒程度で、一部の絵は全体が画面に入り切ってないですが(^^;

順番を好きに入れ替え出来ないのが残念

テキストが届いたら、スタイラスペンからお筆に持ち替えて精進します。次月号のお手本を揮毫し、生徒さんに発送します。また、自身の創作課題も集字してデザインしないといけません。

みなさんも、気分転換は適度に行いましょう。

コロナ感染、みんなで気をつけて蔓延を防止しましょう。

篠村鳳春

①~③ 臨書課題。お手本作成のため写真は切り抜きますのでその前に写真を撮っておいたもの。

みなさん、こんにちは。

遅くなりましたが、出題された臨書課題の写真です。

テキストを持っていたのは【牛橛造像記】だけでたまたま練習しておりました。なのに、「橛」の木偏の点を書き忘れるという致命的なミスを犯してしまいました。

キャプションに書いたように、臨書課題は写真プリントで送られてきます。自作の手本はこれらを切り抜いて程よい大きさに拡大コピーします。

細かく文字にごとに拡大率を変えて、半紙サイズに切り貼り、レイアウト。つまり布置章法を決めたら、お手本のできあがりです。拡大率を決めるのが難しいです。拡大率を決めるにはルートの計算が必要なので、関数電卓を叩きまくりました。

①楷書 牛橛造像記 北魏

北魏の楷書は以前には、倣書課題として出題されたことがあります。北魏の楷書は書くのが難しい三角形の点画が多用されています。また、起筆・送筆・収筆に特徴のある文字で、むしろ特徴を強調しやすいはずでした。

②行書 黄州寒食詩巻 蘇軾

「葦」に長い縦画がある為、5文字でした。文字のサイズがバラバラで、もっとも布置章法の難しいものでした。また、行書とはいえ、点画の重なりが太くて崩し方が分かりづらく、五体字典などで崩し方の見えやすいものを参考にしました。それでも「竈」は誤字扱いだなと、後で気づきました。楷書とほぼ同じ筆順で良かったのに余計なことを考えてしまいました。

③隷書 開元占経 趙之謙

レイアウトのもっともやりやすい書体です。

八分隷と呼ばれる平たい文字の曹全碑や礼器碑とは趣のことなるもので初見でした。複雑に波打った小さな点画は書きにくいものでした。収筆での穂先の出口は、点画の裏表、真ん中と多様でした。烈火には北魏の趣があり、牛橛造像記に合わせた出題だったのかもしれません。

課題の写真は35mm幅程度の小さい写真です。腕試しにお手本作成から練習するというのも、今後の受験対策に有効かもしれません。

なお、拡大コピーの倍率400%では実寸に足りないことが多いです。コピーは一度のみ、コピーのコピーはやめたいということもありまして、今回は半紙2分の1サイズに合わせました。レイアウトしたそれを半紙の実寸大に拡大コピーする方法で手本を作成しました。

具体的には、半紙を半分にカットして名前欄を少し取り置いてから縦中心に線を引き、各文字を配置する訳です。配置の参考にしやすいので、各行縦中心と各行3等分の横線も引いておきました。各文字にも縦中心線を引くとやりやすいです。

文字を切り貼りするとき、行間や文字間隔は少し慣れないと感覚が掴めません。写真に撮ると少しわかりやすくなります。普段から何度となくお手本作成を練習しておくといざというとき短い時間で作成できるようになります。

今回の隷書課題。切り貼りした後、コピーするとこのように少し見やすいです。余分な黒い部分は修正テープなどで消すとさらに見やすいです。

令和二年の臨書課題はこちら。切り貼りのみです。これだと、見え方が随分違います。

ホワイトペンでアウトラインを書き込みした。想定したラインがまずければ、良い手本とはなりませんが、とにかく陰刻は見えにくいです。
中心を通す為に各文字に先にマーカーで縦線を引いて揃えて並べています。
極端に背の高い文字や横幅の広い文字、踊り点があるとそれらのバランスに悩みます。
隷書は波磔や折れの位置を縦に揃えます。なのでそこにマーカーでラインを引いています。

試験のときはこういった作業に時間を割くことになりますが、いきなり写真版だけ見て2行各3文字の配置で書くというのはなかなか難しいです。難なくできる方は、お手本作成の手間がなく即座に練習できるということですね。

他にも籠書きをしてお手本を作ったものもあります。ibisPaint Xで集字を読み込んで編集したあと、iPad画面上にロール紙(半紙2分の1の)をおき、トレースしました。

トレースした籠書き
トレースする前の画像がこちら。
欧陽詢 倣書課題。
ibisPaint X で、集字したものを切り貼り編集。「聞」の耳 は文科省漢字指導では横画は突き出しません。
欧陽詢の文字にはどちらもあって悩みましたが、突き出さない形で書きました。突き出しても良かったかもしれません。

ibisPaint Xでの画像をプリントするには、コンビニに行かなくてはならず、雨降りだったのでトレースした次第です。

課題からの作品手本製作は、色々な工夫の仕方があると思います。ご自分に合う方法を見つけましょう。

それより、陰刻をみて、さっと書ける実力をつけること、がより大切かもしれません(^^;

篠村

上段 右から順に楷書、行書、隷書
下段 倣書、創作、手紙創作

みなさん、こんにちは。

落ち着いて見返すほどに欠点と、誤字、もしくは誤字、誤りとみなされる箇所をたくさん発見しました。私と同じようなミスをされた受験者はいないと考えられます。発表を待たず不合格が確定、確信に変わりました。

楷書 【橛】というのは木偏ですが、試験前の臨書練習中は四画目の小さな三角の点画を書けるようにしたのに、本番で書き忘れるなんて信じられないミスです。牛橛造像記の文字は真ん中が細身で両端が太いのが特徴です。それも理解しているのに、本番ではしっかりと太細がだせていません。

行書 誰がみても行間が広いのは明らか。それより、 【竈】の長い縦画2本の左側の縦です。縦画に左側から右払いが交差しはみ出します。縦画はぐにぐにと力強く曲がりながら下へ進み、下端で右へ曲がり躍(はね)へと繋がります。出題の写真では、その右払いの終端と同じ箇所で、縦画を一旦止めて再び書き始めているように見えたのでそのように書きました。右払いの終端が縦画の断筆部分に見えてしまったのです。これも誤りだと思います。右払いが完全に縦画を交差し突き出るよう書き、縦は断筆もなく、ぐにぐにと書けば良かったのだと思います。

【焼】 この字を一般的に崩すと 最後は π のような格好です。ところが、蘇軾の文字では、日本での崩し方「横・左払い・浮鵞」とは異なり、「左払い・横・浮鵞 」の順の書き方に見えてしまいました。誤りかもしれません。

【倣書・欧陽詢】これは、九成宮醴泉銘、皇甫誕碑、温彥博碑といった作品に限定せず「欧体」と呼ばれる書風に書いたものです。しかし、【褒】保 部分には左払いが二つあるため通常は減捺減鉤の原則により、呆 の左払いを止めの点画にすべきでした。知っていることがここでもできていません。【鷄】ノツメの三点、烈火の四点はどの様なかたちと向きで良いのか迷いました。烈火は、字典では同じ向きに書いた、鴻と鸞(別の作品)がありましたが、陰刻の拓本で字も小さく、四点の形がはっきりと掴めませんでした。よくわからなかったため、右側三点を同じ方向にする今風の書き方にしてしまいました。見直すと「誰の書いた烈火?」。ここでこそ、欧陽詢らしさが必須だったかもしれません。しかし、少なくとも、四点を同じ向きに書けばよかったかと思います。そのうえ、落款。何故、こんなに名前をかためて書いてしまったのやら。。。焦ると何をしでかすか分かりません。

師匠もおらず、実力も凄くあるという訳ではないところに、老猫を看病するという気がかりを抱えた状況では、受けるべきではなかったかもしれません。幸い、試験中に老猫が亡くなることはありませんでしたが、芳しくなく心配な日々が続きます。

既に不合格だと分かってはいるものの、見直して更なるミスを見つけたので今日は本当に滅入りました。今日にかぎらず数日間は引きずってしまいそうです。

受験料の二万円は結果として捨てたようなものです。ただ捉えようによっては高い授業料となりました。知識不足、勉強不足、受験の要領段取り不足、様々な問題点が新ためて浮き彫りになりました。経済的事情で来年の受験は出来そうにありません。例月の課題、普段の基本練習と作品創作のトレーニングを繰り返し続けていくのみです。

篠村鳳春

みなさん、こんにちは。コロナ禍がなかなか収束せずあれこれと不便なことや不都合なことが多くて嫌になりますね。

さて、今回は在宅試験では実際にどんなことをしているのか、詳しくご説明したいと思います。成績は追って投稿いたします。創作や昇段試験など、何かのお役に立てれば幸いです。

2021.4.15~4.20 、在宅による昇段試験が実施されました。日本教育書道研究会では八段の昇段試験を師範推挙試験と呼びます。15日、9時頃、宅配にて試験問題と指定用紙が届きました。試験の始まりです。

試験課題の説明をよく読む前に、「とにかくコピー!」ということで、古典の写真版のサイズを測り拡大倍率を計算することから始めました。昨年も受験しましたから、説明は読み飛ばしても大丈夫でした。

写真用のてかてかケント紙?で漢字の古典三種の臨書が必ず出題されます。なので、まずは拡大コピーな訳です。レイアウト(布置章法)を決めるのには、それぞれ大きさの異なる文字をほどよく調整し配置しなければなりません。隷書はどの文字もだいたい同じ大きさなので、配置はやりやすいです。

今回、写真版の古典は、拓本のもの(陰刻)2点、陽刻1点でした。文字の見えにくいところや、欠けているところは、手持ちのテキストと字典で何とかなりました。

二月ころ、Ibis paintXをiPadにインストールしましたので、写真を切り貼りして編集することが可能となりました。倣書、行草書創作、半切創作の3課題はこちらでレイアウトを決めました。集字は書法字庫(簡体字中国語)というアプリを用いつつ、確認は各種字典を用いました。

ibisPaintXだと、拡大縮小がピンチイン・アウトなのでその点はらくでした。中心を揃えるのも、画面に定規を表示できるので便利でした。また、作成したものは、iPadやiPhoneの写真に落とし込んで保存すれば、コンビニで普通紙プリントも可能です。今回はiPadの画面だけみて書くこととなりました。

【倣書・行草創作】「褒城聞曙鶏」

欧陽詢の書風 倣書 デッサン
古典からの文字は【鶏】だけでほかは改めて調べなくてなりませんでした。配置については大助かりでした。
ibisPaintX 使用

試験問題の古典の写真をうまくiPadで撮影出来れば、同様に編集できたのですが、どうしても歪んでしまいます。そのため、コピーによるお手本を苦心して作りました。切り貼りしてコピーをとり、チェック。大小バランスのおかしい文字は数パーセント刻みでコピーを複数とり、サイズ違いを貼り直してようやくそれなりのものになります。この作業のためにコンビニを何往復もしました。(^^;

前置きが長くなりましたが、このように、自分でまずお手本を作るところから始めるので、実際に筆を執ったのは翌日からでした。文字の調べものにかなりの時間と労力が必要でした。視力がどんどん落ちて字典の小さな文字などはぼやけてしまいました。

めんどうなのは、崩し方の分からない文字です。それらは日本人の方が出版されている五体字典で一般的なやり方を調べますが、中国古典では日本と違う崩し方も見受けられなかなか厄介です。師匠のいらっしゃる方は質問できるので幸いです。

とにかく調べなくてはならない漢字はとても多くあります。漢詩20文字の楷書・行書・草書。これだけで既に60文字です。倣書と創作のための漢字5文字。手紙とペン字の文章にあるそれぞれの漢字数十個。指定姓名の漢字5個。

上段 左から。

【隷書】開元占經 趙之謙 「龐鴻蓋乃道之」

【行書】黄州寒食詩巻 蘇軾 「竈焼湿葦那」

【楷書】牛橛造像記 北魏 「願牛橛捨於分」

【手紙文】卒業生が私の還暦祝いに油絵を描いてくれました。朝日が昇る東雲の画題で希望と勇気を頂いて日々新たに励んでおります。

【行草創作・倣書(欧陽詢または欧体)】「褒城聞曙鶏」

半紙課題 六種
本文・落款ともに配置で大きく失敗しております(´×ω×`)
もちろん文字造形も上手くはありません。

【漢詩(半切)】霏微過麥隴蕭瑟傍莎城靜愛/和花落幽聞入竹聲 (中唐・皎然)

半切課題

【漢詩(小文字)】霏微過麥隴蕭瑟傍莎城靜 愛和花落幽聞入竹聲 (中唐・皎然)

【ペン字】「善く行く者は轍迹なし」上手に歩く人は足跡を残さない。立派な仕事を遂げた人ほど手柄を誇らない。価値ある社会貢献とは目立たぬものだ。

半切と同じ漢詩の小文字(楷書・行書 4行)課題と、指定文章のペン字課題

今年の指定用紙は少し滲みやすく、墨液の濃さに苦労しました。含みすぎるとあっというに広がり、用紙をダメにしてしまいました。楷書と隷書は特に筆運びが遅い方なので、墨量にはかなり気を配りました。ダメにした用紙はその後、滲みのチェックに使いムダにならないようにしました。

時間経過により墨液から水分が飛んで墨が濃くなりますので、少量のお水を足したりするので、滲み確認といった作業が必要となります。濃すぎても薄過ぎても不都合なのです。

寝食を削って取り組んだ4日間でした。作品は20日午後5時必着ですので、実際には4日間となるのです。昨年秋に七段に合格された方は「書の教室」来年2月号に師範推挙試験の案内が載りますので、ご覧ください。

試験内容がテキストに掲載されるのはかなり遅い時期となります。上に紹介した課題にチャレンジしてみてください。古典臨書の写真版は後日撮影して投稿を修正しますので、暫くお待ちください。

それでは、7月号(6月21日ころ着)に合格者が発表されるまで、篠村の合否予想、課題採点などで楽しんでください。昨年は681点以上が合格でした。

本人予想は2~3点不足、残念ながら不合格です。減点箇所が明らかに存在すること。そもそも半数近い課題において得点が低いであろうこと。加点する程の良いところが見当たらないから、というのが理由です。(^^;

昨年の私の課題ごとの点数では、最低68点(行書)、最高84点(小文字とペン字)です。不合格 29位 680点でした。ちなみに七段以下昇段試験では87点が最高得点です。どう書けば90点に届くのでしょうね。何かの学科試験なら100点は取ろうと思えば取れるものですが、書に満点はありえないですね(^^)

篠村鳳春

2021.4.15~2021.4.20 師範推挙試験実施

師範推挙試験提出

2021/04/26 別の投稿にて誤りと思われる箇所の解説を書きました。