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①~③ 臨書課題。お手本作成のため写真は切り抜きますのでその前に写真を撮っておいたもの。

みなさん、こんにちは。

遅くなりましたが、出題された臨書課題の写真です。

テキストを持っていたのは【牛橛造像記】だけでたまたま練習しておりました。なのに、「橛」の木偏の点を書き忘れるという致命的なミスを犯してしまいました。

キャプションに書いたように、臨書課題は写真プリントで送られてきます。自作の手本はこれらを切り抜いて程よい大きさに拡大コピーします。

細かく文字にごとに拡大率を変えて、半紙サイズに切り貼り、レイアウト。つまり布置章法を決めたら、お手本のできあがりです。拡大率を決めるのが難しいです。拡大率を決めるにはルートの計算が必要なので、関数電卓を叩きまくりました。

①楷書 牛橛造像記 北魏

北魏の楷書は以前には、倣書課題として出題されたことがあります。北魏の楷書は書くのが難しい三角形の点画が多用されています。また、起筆・送筆・収筆に特徴のある文字で、むしろ特徴を強調しやすいはずでした。

②行書 黄州寒食詩巻 蘇軾

「葦」に長い縦画がある為、5文字でした。文字のサイズがバラバラで、もっとも布置章法の難しいものでした。また、行書とはいえ、点画の重なりが太くて崩し方が分かりづらく、五体字典などで崩し方の見えやすいものを参考にしました。それでも「竈」は誤字扱いだなと、後で気づきました。楷書とほぼ同じ筆順で良かったのに余計なことを考えてしまいました。

③隷書 開元占経 趙之謙

レイアウトのもっともやりやすい書体です。

八分隷と呼ばれる平たい文字の曹全碑や礼器碑とは趣のことなるもので初見でした。複雑に波打った小さな点画は書きにくいものでした。収筆での穂先の出口は、点画の裏表、真ん中と多様でした。烈火には北魏の趣があり、牛橛造像記に合わせた出題だったのかもしれません。

課題の写真は35mm幅程度の小さい写真です。腕試しにお手本作成から練習するというのも、今後の受験対策に有効かもしれません。

なお、拡大コピーの倍率400%では実寸に足りないことが多いです。コピーは一度のみ、コピーのコピーはやめたいということもありまして、今回は半紙2分の1サイズに合わせました。レイアウトしたそれを半紙の実寸大に拡大コピーする方法で手本を作成しました。

具体的には、半紙を半分にカットして名前欄を少し取り置いてから縦中心に線を引き、各文字を配置する訳です。配置の参考にしやすいので、各行縦中心と各行3等分の横線も引いておきました。各文字にも縦中心線を引くとやりやすいです。

文字を切り貼りするとき、行間や文字間隔は少し慣れないと感覚が掴めません。写真に撮ると少しわかりやすくなります。普段から何度となくお手本作成を練習しておくといざというとき短い時間で作成できるようになります。

今回の隷書課題。切り貼りした後、コピーするとこのように少し見やすいです。余分な黒い部分は修正テープなどで消すとさらに見やすいです。

令和二年の臨書課題はこちら。切り貼りのみです。これだと、見え方が随分違います。

ホワイトペンでアウトラインを書き込みした。想定したラインがまずければ、良い手本とはなりませんが、とにかく陰刻は見えにくいです。
中心を通す為に各文字に先にマーカーで縦線を引いて揃えて並べています。
極端に背の高い文字や横幅の広い文字、踊り点があるとそれらのバランスに悩みます。
隷書は波磔や折れの位置を縦に揃えます。なのでそこにマーカーでラインを引いています。

試験のときはこういった作業に時間を割くことになりますが、いきなり写真版だけ見て2行各3文字の配置で書くというのはなかなか難しいです。難なくできる方は、お手本作成の手間がなく即座に練習できるということですね。

他にも籠書きをしてお手本を作ったものもあります。ibisPaint Xで集字を読み込んで編集したあと、iPad画面上にロール紙(半紙2分の1の)をおき、トレースしました。

トレースした籠書き
トレースする前の画像がこちら。
欧陽詢 倣書課題。
ibisPaint X で、集字したものを切り貼り編集。「聞」の耳 は文科省漢字指導では横画は突き出しません。
欧陽詢の文字にはどちらもあって悩みましたが、突き出さない形で書きました。突き出しても良かったかもしれません。

ibisPaint Xでの画像をプリントするには、コンビニに行かなくてはならず、雨降りだったのでトレースした次第です。

課題からの作品手本製作は、色々な工夫の仕方があると思います。ご自分に合う方法を見つけましょう。

それより、陰刻をみて、さっと書ける実力をつけること、がより大切かもしれません(^^;

篠村

みなさん、こんにちは。

先日、師弟関係となった「谷中雪桑」ですが、書写検定試験対策ひとつとっても、級ごとに演習問題を作成しておりました。Σ(・□・;)

演習問題の繰り返しで合格率100%の実績とのことです。もちろん、受かるはずもない級は受験させません。

試験対策の教材写真は撮れてないのですが、実技に役立つ基礎理論に基づいた、直筆教材を紹介します。
硬筆も同様に演習問題が用意されてます。

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こんな拓本みたいな、言い換えると王羲之や欧陽詢のような頻出の字がしっかり書けるんです。

失礼で残念ながら、日本習字教育財団の支部長で、まず臨書から書道を学んだという方を存じません。

私自身も臨書部受講生の立場であります。学ぶ順序を間違えたかなと思うくらい、師匠には臨書の大切さを聞かされました。

師匠の文字にご興味をお持ち頂きましたら、以下のリンクから師匠、谷中雪桑のブログをご覧ください m(_ _)m

書道は自由 雪桑の筆が走る

それでは、また!

篠村 鳳春